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ロ日の液化ガス協力の見通し
08:4007/12/2007
 

ヤナ・ミチシェンコ、ロシア・ノーボスチ通信社、特派員。

 

ロシアの「ガスプロム」と日本の「伊藤忠商事」は、2005年から続いている両者の液化ガス輸送プロジェクトの共同研究の協力遂行に関する覚書を延長した。この間に、ガスプロムと協力して、日本の会社は、(伊藤忠以外では三井O.S.Kラインズ(商船三井)が覚書に調印した)液化ガス輸送問題で真剣な研究と作業を行なった。

覚書延長の発案者は、最近になって顕著な動きが見られるシュトックマンガス精製田開発のガスプロムの将来性あるプロジェクトに特に興味を持ち始めた日本側だった。シュトックマン採掘田の開発の第一段階は明確な期待が持てる。(その総埋蔵量は、3兆7000億m3を超え、25年間で年間2370億m3の生産が可能と推測されている)。最初の採掘は、2013-2014年に予定されている。フランスの「トタリ」社とノルウェイの「スタトオイルギドロ」社「ガスプロム」の開発段階のパートナーになった。

日本の会社としては、すぐ目先の結果ではなく、慎重にもっと先の将来を見ている。世界で最大のガス田であるシュトックマンガス田開発の最初の結果は、もちろん、すぐに出るわけではない。しかし、その後には、ガスの採掘、輸送、そしてその販売の問題は必ず起こる。最後の販売についてはすでに判っている。ガスプロムは、いずれにせよ、自分のガス販売の独占権を誰にも譲渡したくないことははっきりしている。

伊藤忠にとって直接の関心は、まさに、2番目の過程、液化ガスの輸送にある。

液化ガスの輸送には、通常、非常に高いそして操作が複雑な特殊な船舶であるタンカーが必要である。現時点で世界が所有するタンカーの数は全部で250隻だ。そして1台のタンカーの値段は3億ドルに達する。シュトックマンの開発の第一段階では、20隻以上のタンカーが必要になる。その際のタンカーの製造は長く複雑な過程になる。製造に時間が掛かるが故に、ガスプロムはタンカー製造の注文を誰にどのように出すか非常に近い時期に決める必要がある。「伊藤忠」と、液化ガス輸送では世界で最大級の輸送会社の1社である船舶会社「三井O.S.K.ラインズ(商船三井)」に代表される日本側は、まさにこの輸送を引き受ける用意がある。

ガスプロムは、基本的には、日本のパートナーとの協力にも関心を示している。しかしガスの巨人はタンカーによるガス輸送を自ら遂行する決定を下すことも考えられる。しかし、ここで念頭に入れて置かねばならないことは、第一に、そのためにはタンカーを正しく操作でき、バレンツ海の厳しい気候条件で作業できるプロフェッショナルが必要になってくること、第二に、輸送に掛かるコストはもし何かがその通りにならなければ、ガスプロムと云えども甚大な額になることだ。このようなリスクをガスプロムは取るだろうか?

協力の考えられるケースとして、ガスプロムと伊藤忠、商船三井、そしてもしかしたら他の会社も加えた合弁会社の設立がある。その際、協力のスキームは、簡単に言えば次ぎのようになる。ガスプロムは、輸送用の液化ガスを提供しながら、タンカーと輸送を完全に組織する経験豊富な専門家を獲得することだ。

これは非常に魅力的に見える。尤も、1つだけ「しかし」がある。国営企業としてガスプロムは、ロシアの造船会社との協力を選ぶだろう。もしそうなればそれは、特に大統領選を前にして、政治的に正しい選択に思える。ましてや、ロシアには、出来ればプロジェクトに参加したいと考えている造船会社がある。尤も、液化ガスの輸送に十分に適する数のタンカーを建造するための能力を持つかというと、ロシアの造船会社にはまだその力はない。日本の会社については、ガスプロムと直接協力したいといくら望んでも、日本企業は、どうも、政治と経済との間の妥協が探索されることはここでは避けられないことを理解しているようだ。しかし有名な外国企業ですら信頼あるロシアのパートナーを必要とすると思うかも知れない。例えば、シュトックマンプロジェクトにやはり参加することを目指しているロシアで最大の船舶運航会社の「ソヴコムフロート」である。

ガスプロムと伊藤忠商事との協力に関する最終決定はまだ下されていない。ガスプロムは自ら、研究を行ない、ガスの輸送の様々な可能性を学んでいる。プロジェクトがあり、色々なケースがある。あとはどのような選択が為されるかだけだ。