オセチアで狩猟を
15:5026/12/2007

アラン・ブルカティ、ノーボスチ通信社解説員

 

オセチアは、現在まで、多くの国の人たちにとって未知の場所が残っている地球の一角の地域だ。しかし、人生を生き抜いてこの地を見ないことは、凍結に行き耳を塞ぐように軽率な行為だ。この地方は健康で穏やかな休息をしてみたいという気分にさせる。湿気のある黒海の気候とカスピ海沿岸の乾燥した気候という2つの種類の気候の接点に位置するオセチアは、独特の自然条件を持ち、多様な植物が生息していることが特徴だ。オセチアは、美しいブナ、マツ、シラカバの森林に富んでいる。多くの旅行者、登山愛好家、は、毎年アイスクライミング競技大会が行われるツェスコエ峡谷を訪れる。ダルガフスコエ峡谷を経由した旅行コースは、古代散策旅行の愛好家を対象としている。ダルガフス村と隣り合って、ユニークな古代の地下納骨墓地のある小都市、メルトヴイフ(死者)と、さらに、数百年に亘って存在する他の多くの歴史的記念碑がある。

オセチアは、大カフカス山脈により2つの部分に分けられている。従いオセチアの領地の大部分が山で占められていることは驚くに値しない。農業にはそれほど向かないレリーフは、逆に狩猟には非常に向いており、オセチア人の生活の最も重要な位置をしている。従い、もしあなたがオセチアの狩猟を一度経験すれば地球のどこにもこのような場所はないことを確信するだろう。

遠い昔からオセチアの人は、トゥール(野生山羊)、クマ、コスリャ(シカ科のノロ)、イノシシなどを狩猟していた。オセチアの峡谷、コバンスコエ、アラギルスコエ、クダルスコエ、ジャフィウスコエ、などの峡谷は、いつも野生に満ちていた。カフカスで狩猟に従事すると生命の危険を伴うことが頻繁にある。動物にはオセチア人はいつも然るべき尊敬の念を持って接していた。オセチアでの狩猟は、動物の神様、アフサチ、に対する伝統的な祈りが先んずる。狩猟家は地面に武器を置き、神に、「神の群れからの贈り物が授かれる」(獲物が獲得できる)よう神に請願する。オセチア人は、将来的には犠牲になる野生動物に対し敬意を持つと同時に震えも感じる。なぜなら動物たちがオセチア人の家族を食べさせているからだ。そして峡谷で、知らない狩猟家に遭遇すると、(その狩猟家が血族の敵であっても)、いつも獲物を分け合う。オセチアでは客をもてなすことは何にも優先されるのである。この伝統に従い、オセチア人は、狩猟がうまく行かなかった狩猟家でも家に呼びご馳走する。

現在、オセチアでは、客の名誉のため、雄羊あるいは子牛(犠牲になった動物)を生贄として偉大なるに神の前に差出し、皆で分け、草やミロバランすもも(チェリー・プラム)を加えて大釜(ツアイナグ)で肉の破片を煮る。女性は、この時、ウアリバフという名前のチーズが入っているか、あるいはツァハラジンという名のチーズと混ぜっこにしたビートの根菜類入りのパイを3枚焼く。食卓には3枚のパイ、個々の釜で煮込んだ犠牲になった動物の頭、そして、アラック(大麦あるいは小麦で穀粒から作った自家製酒)が出される。アラックは雄牛の角に注がれ、主人は乾杯の音頭を取る。まず偉大な神(ストゥイル・フェツァウ)に、その次に聖なるゲオルギー(ウアストェルジ)、その後アフサチ、そして最後に客のために、乾杯する。3枚のパイと犠牲になった動物の頭は、尊敬の表現として客に差し出され、そして、客は主人と一緒に肉やパイに舌づつみを打つ。

オセチアでの狩猟は、旅行産業の1部だ。多くの旅行会社が、山旅行をアレンジしサービスの提供を行っている。経験豊富なガイドや猟師が危険の度合いを最小にしてくれる。  

オセチアの山岳地帯では、東カフカスのトゥールそしてカフカスのチャモア(レーヨウ)の狩猟も可能だ。山麓では、相変わらず、鹿、イノシシュ、そしてコスリャ(ノロ)も多く生息する。クマは多くいても、その狩猟は現地の猟師のプロ的な技量あるいはその時の運の大きく左右される。なぜなら、クマは非常に頭が良く、狩猟家を近くまで寄せ付けないからである。それでも、現在、ナイフ1つでクマに立ち向かう狩猟家に出くわす。クマと人間の闘いの場面は、安全な距離にいてビデオ撮影が可能な旅行者には興奮と最高潮の魅了を呼び起こすだろう。

クマの狩猟は経験ある猟師の同行を伴ってのみの狩猟となる。クマの狩猟は幾つかの種類がある。特別に訓練された犬を伴い、クマを冬眠の穴からおびき出し穴から這い出てきた瞬間を狙い射撃する。あるいは、クマが食物を食べに来るカラスムギ畑の端に、狩猟家がクマの出現を待つために作った2-3mの高さの特別な足場で待機し、そこから射撃する。

コスリャの狩猟は、もしそれが特別な場所に来たならば、それほど難しくない。餌、主に塩だが、を利用し、コスリャをおびき出し射撃する。建物の塔や台から狩猟することも可能だ。コスリャには包囲網を敷いて、特定の場所に狩出し、そこで射撃することも功を奏することがある。

イノシシには、通常、餌探しの場所か水を飲みに来る小道で待ち伏せという手が使われる。しかし、イノシシを不意に見つけるのは非常に難しい。なぜならイノシシもやはり非常に用心深く、危険がないことを確認するまで長い間様子を見ており、確認ができてからやっと繁みから出てくるからだ。

オセチアは野生動物に満ちている。従い、地元猟師の良い指導の下で、どのような場合でも獲物なしで狩猟を終えることにはならないだろう。獲物は狩猟家のために皮と内臓を取り除き、調理してくれる。専門の写真家が、獲物を背景にあなたの写真を取ってくれるでしょう。ここではあなたは、あなたが射撃したクマから、例えば、剥製を注文することも可能だ。

しかし、あなたが激しい感触を好きでないなら、オセチアはいつも自然の美しさと豊富さを共有することも歓迎する。だてに客好きであるわけがなく、これがオセチナの第一の戒律だからだ。