安い外国車は過去のもの
17:4218/01/2009

 

 

ヴラッド・グリンケッヴィチ、ロシア・ノーヴォスチ通信社、経済解説員。

 

アジアとヨーロッパとアメリカの自動車メーカーは快くないサプライズをロシア人に用意している。彼らは、自社の商品(自動車)の価格を足並みを揃えて上げることで新年を祝った。外国人は、自分のこの外交手段を、輸入車に対する関税の増大、ロシアルーブル安、そして金融危機による販売の全体的な落込みのためであると説明している。そしてセクターの専門家は、折から、来年は自動車メーカーと販売者は、自分の購入者を価格値上げで一度ならずさらに「喜ばせる」ことになると警告している。

 

価格引上げの声明は文字通り「次から次へ」と出された。「CISジェネラル・モータース」が1月1日から、Opelの最新型モデル(ロシアでは8モデルが販売されている)を最低でも2,5%値上げ、その後、それに引き続いて、Chevrolet(シヴォレー)も値上げすると「約束」した。Volvoの製品は10-15%高くなる。さらにFordも自車の5%の値上げを発表した。そして、最も興味を引くのは、これが外国からロシアに輸入された自動車だけでなく、Vsevolszhskの工場で組み立てられる自動車も値上げされるということだ。Fordの代表者はただ両手を左右に広げるだけだ。仕方がない、組立部品が値上げされるのだから!と。名立たる同僚に、韓国や中国からの伝統的に高くない自動車メーカーも取り残される積もりはないようだ。中国のGreat Wall MotorsやBYD(中国名:比亜迪)やFAW(同、第一汽車)も約15-20%高くなる。しかし、外国人に何と嘆けば良いのか、予備品の高騰を理由に祖国のVAZ社までが自車を3-2%値上げする意向を発表したのだ。

 

このような事態の展開は、この方向出の最初のステップがすでに秋に企てられていたことを考えれば、全く予想できたことだ。ロシア中央銀行がルーブルを安くする方向に舵を切るや否や、日本のマツダは、同社の製品価格を、今後、日本円に連動させると発表して将来の購入者をがっかりさせた(マツダをこのステップに向けさせたのは、恐らく、アメリカドルに対して日本円が高くなったこともあるだろう)。マツダの例に即座にトヨタとスズキが続いた。その結果、12月の中旬にはもうこれらの会社の車の価格は5-10%上がった。このような全体の動きから外れたのは、Mitsubishi自動車だ。この会社のロシアでのディストリビューター(販売会社)「ロリフ」は、同社の車の価格を約5-15%引下げたが、同社もこのようなレヴェルの価格には長く留まることはなかった。Mitsubishi自身はこれは大量の注文のためと説明しているが、市場では、Mitsubishiのディストリビューターが競争相手の圧力の下で自社の価格政策を修正せざるを得なかったためと囁かれている。

 

日本のメーカーに認められた秋口の価格引上げを背景にして、ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーは、自分の顧客に本当のお祭りを仕掛けた。2008年の最後の数ヶ月は外国車の購入者にとって最も有利な期間になった。販売者は自分の購入者に、例えば、KASKOの年間自動車保険料支払いの肩代わり、販売した車に「タイヤ」セットのプレゼント、或は、場合によってはその額が30%に達することもある単なる非常に大きな値引き、等、可能な限りのボウナスを出して自分の顧客を喜ばすよう努めた。

 

これらが心からの気立ての善さから行われたわけではないのは当然だ。金融危機、とりわけ高騰した自動車ローンが、市場を極端に狭くし、メーカーと販売者の倉庫は換金できない商品の在庫過剰になった。

 

例えば、ロシアでは、2008年11月の外国車の売行きは2007年の11月に比べて15%の落込みであった。似たような状況は他の国にも見られた。車の販売台数はドイツで18%、日本で28%の落込みとなった。

 

しかし、2009年は自動車コンツェルンは、価格と市場を釣り合わせるために完全装備して迎えるだろうし、メーカーも次々に生産コンベヤーを止め、生産量の調整を宣言している。