モスクワ、ロシア・ノーボスチ通信社。
9月に突然ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンが党の選挙候補者名簿の筆頭になった政党「統一ロシア」は、60%以上を得票した。しかし、今回の下院選の主要センセーションとなったのは、4つの党、統一ロシア、ロシア連邦共産党、ロシア自由民主党、そして公正ロシアという4つの党が、議会に代表を送る可能性があることだ。
投票用紙の47%以上の集計データによると、統一ロシアが63,2%、ロシア連邦共産党が11,5%、ロシア自由民主党が9,1%、公正ロシアが7,8%以上を獲得した。
このように、選挙結果で、7%の障害をクリアできるのはたった1つの大統領の所属する党だけであるとの多くの政治家の予想は覆された。
統一ロシアは憲法上の多数を獲得する。
選挙結果に基本的な変化がなければ、統一ロシアはそれでも下院で憲法上の多数を得る可能性を持つ。
統一ロシアは、15%の得票を越えられなかった党の得票分が比例配分されるというプレミアムを加算し、憲法上で認められる多数議席を得る。下院に議席を送り込んだ党の得票率の合計は85%だった。その他の党は7%の障害を越えられなかった。従い、その15%は、4党の間で比例分配される。その結果、統一ロシアは、下院で約70%の議席を獲得することができると著名な政治家で、政治研究所々長兼統一ロシアの党員でもあるセルゲイ・マルコフはロシア・ノーボスチ通信社に語った。
下院の450の議席のうち、憲法上の多数は300議席である。専門家の試算にようと、下院の新しい構成では、統一ロシアは312の議席を得ることができる。以下、共産党は55、自由民主党は49、公正ロシアが34議席となる。
統一ロシアの選挙キャンペーンは、今回の下院選挙は、来年の春に2期目の大統領任期を終え、国家リーダーの職を辞することになるプーチン路線を継続させるために議席を獲得しなければならないとの命題の上に成り立っていた。
党のキャンペーン計画となったのは、連邦議会(上院)への年次親書でプーチン大統領が謳ったプーチンの命題(テーゼ)を基礎にして国家の発展の戦略を示しているいわゆる「プーチン・プラン」だった。
統一ロシアは、獲得票がわずか37,6%だけだった2003年の選挙に比べて議院内の議席状態を著しく改善することができた。しかし、プーチン計画に賛成して投票することを呼び掛けた統一ロシアの結果は、2004年の大統領選で大統領個人が獲得した71,3%に比べれば低い数字だった。
反対勢力。
下院に議院を送り込んだ他の政党は、政権への批判、とりわけ社会的な批判を強調し選挙運動を行ない、それは統一ロシアに反対する勢力を結束させることができた。
投票の1週間以内になって発表された世論調査では、共産党は6%以下の獲得予想だった。共産党は、社会世論により予想された結果よりも多くを得票したが、党の指導部は選挙総計が公表される前に選挙結果に意義申し立てをすると確約した。
「わが党の法律家グループはすでに、選挙の総合集計を待たずに、投票結果を提訴するため最高裁判所への訴状作成の準備に取り掛かった」と、ロシア共産党中央委員会法律部々長ワジム・ソロヴィエフは党本部でのブリーフィングで語った。
議席の3番目と4番目は、「政権党」とその独占機関の構図の中で選挙運動を行なったウラジミール・ジリノフスキーの「ロシア自由民主党」と連邦議会の議長を務めるセルゲイ・ミロノフの「公正ロシア」がそれぞれ占めた。その際、ミロノフの党は、統一ロシアを厳しく批判しながらも、プーチンは支持する方向に回った。
リベラル党「正義の同盟」、「ヤブロコ」そして「市民の力」は、事前のデータでは、それぞれ、得票率が1,0%、1,5%、そして1,1%で、7%の障害を越えることができず議会に議席を送ることが出来なかった。
これら3党の総計得票は、リベラル勢力からの統一候補として立候補した2004年のイリーナ・ハカマダが得た得票より少なかった。2003年の議会選挙では正義の党は3,97%、ヤブロコは4,3%を獲得していた。
11月26日に発表された全ロ世論研究センターの最近の調査では、統一ロシアは55,6%、共産党は5,8%、公正ロシアは4,9%そして自由民主党4,8%となっていた。
今回の投票の特徴の1つになったのは、約62%という高い投票率だった。これは、55,75%が投票した前回の2003年の議会選挙の数字を上回った。