メドヴェジェフのライヴァルにチャンスあり
12:0024/12/2007

グリゴリー・メラメドフ、ロシア・ノーボスチ通信社に寄稿。

 

 

大統領選挙への立候補を候補者たちは終了した。彼らを候補者とまだ呼んではいけない。第一に法的見地から、そしてもう一つの理由がある。

「統一ロシア」があの投票率、あの獲得票、そしてあの選挙運動の下で勝利した下院選が終わった後は、すべての人は、恐らく、1人の候補者しかいなくて、残りは端役者に過ぎないと確信している。しかし最近の政治上層部でから聞こえて来る話を注意深く聞くと、実際はすべてがそんなに簡単に行くのだろうかという疑問が起きる。

先週は「競争性」そして「候補者の実際の競争力は?」と言った言葉が、秋の選挙前の全期間よりも頻繁に聞こえて来た。このような発言の最初の人物になったのは、統一ロシアの煽動は活気がなく面白くなかったと不平をもらした中央選挙委員会会長のウラジミール・チュロフだ。彼の言葉は、もし他者が無視すれば、ワニの涙(単なる独り言)と見なして良かっただろう。しかし「統一ロシア」のリーダーの1人オレグ・モロゾフは、「Mr.メデヴェジェフの反対者は十分に輝いており、投票者の票を自分の方に引き寄せよう最大に努力するだろう」との期待を表明した。「統一ロシア」の大会でメドヴェジェフ擁立に反対する票が「偶然」だがあった。ウラジミール・ジリノフスキーは、「選挙は決戦投票までもつれ2回になるべきだ。選挙で誰が勝つかそして候補者が55%以上を獲得し1回の投票で決まってしまうことを皆が事前に知っていれば、ジャーナリストも有権者も政治研究者を始め、すべての人々の間には興味がなくなる」と執拗に繰り返している。彼がこれを一回うっかり口をすべらせたならば、- まぁ、一回だけならだれでも失敗はあるだろう - しかし一回でなければ、ジリノフスキーの口から政府は何か考えているというまさにそのことがしばしば出ることを思い起こす必要が出てくる。ある人は「偶然」に違うボタンを押す。またある人は「偶然」に1回だけの投票では面白くないと言う。「偶然」が多過ぎないないだろうか?敢えて記さないが別の「偶然」も引用することも出来る。しかしいずれの場合でも、権力の上層部の非常に多くの人が来るべき大統領選をつい最近の「統一ロシア」の選挙運動と同じ様に選択の余地のないものに見ることを希望していない印象を受ける。

実際、プーチンとメドヴェジュエフにはどのように考えているのだろうか?現在の大統領にとって、今は、国民的リーダーと暫定的後継者との違いを示す丁度良い時期だ。この違いは、特に、前者は、統一ロシアの党首になり有権者のかつてないほど高い投票率の下で一辺に3分の2の票を獲得するほどの能力を持ち、後者は1回の投票で当選できたにしてもせいぜい55%程度だろうということにある。

今、ドミトリー・メドヴェジェフの立場に自分を置いてみよう。彼にとって、プーチンから得られた信任のみを合法化するだけで十分だろうか?公式的には十分だ。しかし政治的野心を持った相対的に若いリーダーにとっては、まず不十分だろう。これくらいのレヴェルの地位にある政治家で野心のない政治家などいないはずだ。もし、大統領選挙が、メドヴェジェフにとって、プーチンの党が勝利した議会選挙と全く同じスタイルでそして全く結果で終わるなら、将来の大統領にとってはこれは一定の心理的困難さ引き起こすかも知れない。まず最初に、アナリストたちは、口を揃えて、これはプーチンにより得られた行政能力の勝利であり、メドヴェジェフの個人的成功ではないと言うだろう。第二に、彼は、選挙には民主性がない状態で行われたという轟音を聞きながら大統領の仕事を始めなければならなくなるだろう。批判するのは、尤も、現在では政界において特別な役割を果たしていないリベラルのインテリ層であろうが、たいした批判でなければ無視しても良い。しかし西側も批判するだろう。これは遥かに彼にとって不快になるだろう。多くの人は、実際、西側が苛々しているのはロシアの国内の問題はなく対外政策にであることは判っていても、メドヴェジェフにとってみればそれでもこの「情報」が後ろにあることは全く面白くないだろう。

メドヴェジェフの観点から見れば、選挙実際2回の投票、あるいは2回投票の瀬戸際になるが、非民主主義との批判を受けないで申し分なく終わることは良いことではないか?彼は、自分の支持層があるだろう。そしてたとえこの支持層からの得票がつい最近行われた下院選の64%より数字になったにしても、自分は支持されたと十分に感じることができるだろう。1つのケースしか想定しないのはいけないことだが、少なくとも上述のようになれば2回投票でも彼はかなり満足するのではないか。

2回になれは選挙の民主性は疑われないわけだが、現在の状況はプーチンにもメドヴェジェフにも大統領選での利点があると言える。すでにロシアのマスコミの論調は、ジュガノフは14-17%を、ジリノフスキーは10-12%を獲得する十分な可能性があると予測している。合計で約30%になる。過去に、基本的に共産党の得票を加えると2人で約18%を得票したことを想い起こすべきだ。そして、共産党と自民党は今回は自ら立候補し、自らに代わって2番目の人物を擁立しない。

右派側は、相変わらず、めまぐるしい動きがある。しかし、「ヤブロコ」のリーダーグレゴリー・ヤブリンスキーは候補者を擁立せず、ミハイル・カシャノフ(元首相)とウラジミール・ブコフスキー(ソ連時代の異端者)は、どんなに希望しても、強敵にはならないので、唯一の右派のリーダーボリス・ネムツォフがそれなりの票を獲得するだろう。

つまり、総じて、メドヴェジュエフの競争相手には理論的に約35-40%を獲得するチャンスがあることになる。プーチンにもメドヴェジュフにもこの数字に反対しなければその他の候補者の得票数は増える可能性がある。

ついでに言うが、コンドリーザ・ライスは、メドヴェジェフの擁立についてコメントした際に、民主主義や合法性や選挙違反についての一言も言わずに、ロシアの大きな問題は、選挙で現実的な競争相手がいないことを挙げた。実を言えば彼女の口からはまさにこれらの言葉が発せられることが予想されたにも拘らずこの種の発言はなかった。恐らく、アメリカでは、メドヴェジェフがプーチンの後継者として最も相応しいと考えているから競争原理の選挙にならないでメドヴェジェフが選ばれてもそれはそれで良い(他の候補が選ばれるよりははるかによいからだ)。それでもロシアには、選挙が競争に見せ掛ける努力はして欲しいと考えている。その努力があればアメリカしては選挙で多くのことに目を塞ぐつもりなのだ。(しかし競争にならない露骨な独裁選挙の様相になったらアメリカは文句を言うつもりだろう)。もしそうなら、ロシアはなおさら選挙を競争のゲームにすることが悪いのか?(当然競争の下で選挙は行なわれる)。