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ロシアがアメリカの宇宙船で月で水を探索
18:5518/09/2008
 

 

 

ユーリー・ザイツェフ、ロシア科学アカデミー、宇宙研究所専門家。ロシア・ノーヴォスチ通信社に寄稿。

 

ロシア科学アカデミー宇宙研究所は、中性子(ニュートロン)望遠鏡、LEND - Lunar Exploration Neutron Detector 、「月研究ニュートロン探索機」、の製造に関する地上作業を終了した。ロシアの計器は、アメリカの宇宙ステーション、月探索装置、「Lunar Reconnaissance Orbiter - LRO」の船内の取り付けを行なうアメリカに搬送された。その打上げは、2009年初頭に予定されている。使命の主な目的は、月の表面の前面的な地図作成である。ロシアの計器の課題は、まず第一に、月の表面層にある水の氷に相当する水素及び水素含有混合物を探索することだ。

 

同時に、月を「爆撃」にさらし、我々の自然宇宙船に関する新しい情報を所得することも予定されている。とりわけ、水、恐らく、彗星からできた水と思われるが、の埋蔵を調査することも含まれている。

 

ここで予め断っておくが、この言葉の使い慣れた理解での爆弾投下のことを言っているのではない。月に特別に組織された人工物体、打上げロケットと器具コンテナーの各段(ステップ)、を落下させることを言っているのだ。

 

この方法は、特に2005年に369kgの銅のインゴットが発射された彗星「テンペル-1」の研究の時に利用された。170m/s以上のスピードで彗星に突入したあと、インゴットは、数10メートルの深さでサッカー場の大きさを持つクレーターを残した。この時、トルニトロトルエン(TNT)5トンの爆発に相当するエネルギーが発生した。宇宙には、KA Deep  Impactに設置された特別装置により研究された彗星物質の巨大な雲が放出された。

 

彗星にも月にもこのような「爆撃」は何らの目立った害はもらすことはない。月の大地への最初の研究用の浸入は、ソ連の観測船「ルナー-2」号が月に突入した1959年の9月に行なわれた。その時は、月の表面には、2つの物体、観測船の器具コンテナーと打上げロケットの最終段が落下した。落下後4秒後形成された直径数キロメートルの黒い丸い斑点は目の前で最大40kmまで四方八方に広がった。その観測結果は、興味を示すなどという表現よりもはるかにすごかったが、宇宙学者もとうとう理解することができなかった。

 

その後、月ステーションのすべての失敗飛行は、月の表面へ硬着陸してしまうという結果を導いた。その特別な研究、つまり、その際、放出された物体の特別な研究、は行なわれなかった。

 

基本的に、ロシアの自然衛星船は大気を持っていない状態の所にあるので、衛星船は常に、太陽の風や衛星船の落下に始まり、石質隕石の爆撃まで含む、衝撃の作用を受けている。南の月の極の周辺には、衝撃クレ-ター、恐らく、すべての太陽系に存在するクレーターの中で一番巨大なクレーターがある。

 

NASAが計画する実験の主な課題は、月の水、しかも大量の水、であることを証明する理論を確立することだ。水は月には存在するという重大な疑惑は、1998年に起こった。月の人工衛星からの観測では、少なくとも、凍結水の斑入物が、極に位置する太陽から日陰になる幾つかのクレーターに存在するということが証明された。

 

なぜ、月に水かあると言うことを発見することがこんなに重要なのか?

 

月は、生息の自然環境を持つ最初の常に作用する地球外の基地が設置され、人口的に拡散できる最も近い拠点だ。将来の移住民にとって、水も、その組成である酸素や水素は必要な分子だ。酸素は呼吸に必要だし、水素はロケット用の燃料、やはり酸素との共用になるが、に必要である。もし、月に水が発見されたら、地球から運ぶ必要がなくなるし、それは、著しく、宇宙に存在する我々の宇宙船の植民地化が非常に楽になる。

 

月の水探索は、太陽系の進化をさらに深く理解するためにも有益である。可能性として最も考えられるのは、水は、彗星が月へ落下する際、層の形で蓄積されることである。すべてのこのような層は、数十億年あるいはそれ以上の期間に起きた彗星打撃の記録、一種の年代記を内在している。その研究は、形成の始まりから太陽系の歴史を追跡することを可能にしてくれる。

 

最後に、生命は宇宙からやって来て、そしてそのキャリア(運搬者)は彗星ある可能性があるという理論が盛んに論議されている。月の彗星「堆積」の研究は、この仮説を確認できる新しい証明になるかも知れない。

 

月を「爆撃する」ことは、エイムス記念カリフォルニア研究センターの専門家により提案された。Blue Iceという記号のプロジェクトの骨子は、主要「月」軌道探索船と同時に、光学、分光その他装置などが詰め込まれたさらにもう1つの小型の研究観測船を宇宙に発射するための打上げロケット「アトラス-5」号の予備能力を利用することにあった。それは、Lunar Crater Observation and Sending Satellite 略してLCROSSという名前がつけられた。

 

ロケットの加速ブロックは、重量2トン以上の「ツェンタヴァル」という名前のロケットの最終段が月の表面に突入する。この時、破片と埃の雲は、9km以上の高さに上がることになっている。約10分後、この雲を通じて、観測船が飛行し、必要な研究や測定を行なう。

 

同様な飛行を、2006年の9月に、この目的のために、月人工衛星「Smart-1」を利用してヨーロッパ宇宙局の専門家が行なった。軌道での14ヶ月の作業後、Smart-1は月の湖に向かった。落下地点で込み上がった埃の柱は、スペクトロメーターで入念にぶっ分析された。

 

Blue Iceプロジェクトとの基本的な違いは、ロシアニュートロン望遠鏡によりLENDは事前の探索が行われ、水が最もありそうな場所を特定し、探索場所を決めることにある。まさにこの場所に加速ブロック「ツェンタヴァル」は落とされるのだ。