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プーチンはポーンに触るだけで勝利を掴む
09:3504/10/2007
 

ピョートル・ロマノフ、ロシア・ノーボスチ通信社政治解説員。

 

 

ウラジミル・プーチンは、「統一ロシア」の名簿のトップに登載され、一定の条件が整えば大統領の椅子から首相の椅子に交替する用意があることを言明した。そのあとは、例によってすべての予測を覆した。現在のロシアの状況は同時に興味のあるものであり、同時に(民主主義が再び弱くなるという意味で)劇的であり、そして同時に矛盾に満ちている。

「統一ロシア」の大会がどんなに壮大な規模でも我々の目を欺くことはない。ソ連の時代には、保養所で人の背丈と同じくらいの巨大なチェスを堪能することを好んだ。そこにはポーン(チェスの中で一番弱い駒、Pawn、将棋で言う「歩」)も巨人だった。しかし重要なことは、ポーンの動きは制限されており、保護してくれる駒なしには上位に行くことができない駒だ。「統一ロシア」の成功の全て、これはプーチン大統領の成功であり、従い、やっとプーチンを手に入れた「統一ロシア」が有頂天になることは全ての国民が理解している。今「統一ロシア」はプーチンという強者を得て、すでに今度の議会選挙で凱旋勝利を得たような気分である、逆に競争相手のミロノフ(公正ロシアの党首)は選挙地盤を失い、その他の党は選挙の勘定にも入らないほどだ。

そしてウラジミル・ウラジーミロヴィッチ自身が勝利するのも当然だ。第一に、完全に法的手段で大統領は、彼がクレムリンの内閣を一時的に去る間に自分の立場を強化するだろう。第二に、彼が、クレムリンで、彼が気に入り「仕事のできる人」が現れる場合のみ首相になることを約束しているが、これは、つまり、ウラジミル・プーチンに希望する後継者を後釜に据えることができる固い保証を与えている。大統領を神格化する国民は、プーチンが「気に入り仕事ができ」、かつ、あまり自分自身を主張し過ぎない功名心がないと認める人なら誰でも投票するだろう。後継者にはこの功名心は全く受け入れられない要因だ。

しかし、私は「大首相」に退職を迫る提案のできる将来の大統領が現れるのを見てみたい。プーチンの国民的支持と実質的に彼によってコントロールされる議会を考えれば、これは政治的な自殺行為だ。

2012年は間近だ。

私は状況は「劇的」であると上述したが、今、「劇的」について簡単に述べたい。起こっていることはすべて、形式的な民主主義のメカニズムはすでに整っており、作動し始めて。主要な法律もすべて守られている。しかし真の民主主義は益々少なくなっている。法制上では(De Jure)では我が国は多党制度を敷いているが事実上(de facto)は一歩一歩一党制に、正確には、いつか過去に社会主義陣営の国で存在した擬似多党制に近づいている。「劇的」とは法制上の民主主義の中で事実上の民主主義が少なくなっているという意味だ。

最後に「矛盾」についても話そう。プーチンの将来首相に就任するとの発言は我が国の市民の大部分は、安堵の気持で受け止めていることは間違いない。市民にとってまさにこれはロシアが現在従う必要のある安定性の保証と路線の継続でもあるのだ。これは、ほんの少し政治学者たちによって昂揚されてはいるが基本的には国民の完全に真の気持であることは認めなければならない。ロシアはエネルギーのない倦怠期にある。そのために新しい模索をせずに自分が満足でき、そして見たいものをだけを見ている。

これは終わるだろう。しかしまだ直ぐではない。しかし困ったことは、エネルギー価格により肥えた牛は価格が下落すれば痩せた牛になるかも知れない。そして、現在は正当に評価されている軍事力の強化も、やがて支出が膨大になり我が国の経済を破綻させるかも知れない矛盾を抱えている。矛盾とはこの意味である。あまり不吉な予測はしたくないが。

でも、現在の形式的な民主主義の条件下ではすべてこの状況を変えることはもはや誰にもできないだろう。我々は状況を数歩前進させることがとうとうできなかった。ロシアの状況は、まさに先を読むゲームであるチェスではなく、先が全く判らない宝籤のようなものだ。