ドミトリー・コスイリョフ、ロシア・ノーヴォスチ通信社、政治解説員。
2008年は、1兆と1/5パーセント、と、奇跡の期待、と言う感銘深い数字で終わった。
1兆(ドル)、これはアメリカ政府がすでに自国の金融システムの救済に消費した金額だ。つまり、銀行や金融機関に単に提供した資金だ。実際にはもっと多いが、数百億ドルとは一体どれ位の額か?これは、小国の年間国家予算に相当する。
1/5とは、これは、「ドイチェ・バンク」の試算によれば、2008年の全世界の合計経済成長率だ。2007年度は、思い起こしてみよう、急進的な中国とブレーキの掛かったジンバブエなど考慮すると5%と言う数字を与えた。2008年はと言えば、「殆どゼロ」だ。これは、9月以降の下落により殆ど完全に打ち消された、悪くなかった2008年の最初の3つの四半期の世界のGDPの数字をさらに考慮しての数字だ。そして、2008年に世界で2007年と殆ど同じように生産されたとするならば、2009年は凡そ10ポイント程度、いやこれは最高に良い場合だが、の下落が世界で起きることが予測しないわけには行かない。
奇跡について言えば、オバマ政権は1月のホワイト・ハウスに入る準備をしながら、恐らく、混乱の中をさ迷うだろう。どんなのことが起こるか列挙して見よう。2011年にイラクから軍を撤退させる自分の約束を遂行する。その予測速は当たるかも知れない。中東問題を動かすこと。つまり、イスラエルにとってもパレスチナにとっても良い状態にすること。イランとの会話のやり方を学ぶこと、イランが武装解除しないことは疑う余地がないから。ロシアと国境を接する国家の政府に心理的に釣り合いの取れない親アメリカ活動家をもう動員しないこと。戦争の脅威を与えないことそして戦争を始めないこと。いつもの「民主主義拡大」計画の実行ではなくて、同盟国として接すること。アメリカが尊敬されるように取り戻すこと。体系化されたシステムとして資本主義を救うこと。そうしないと中国やロシア(今はヨーロッパもそうなっているが)、ある種の明らかにアメリカ的ではないことを実践する。アメリカ経済のモーターを以前の出力で稼動させること。
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これらの約束は1人の前のアメリカ上院議員(オバマを指す)と彼のバスケットボールチーム(オバマ政権を指す)にとっては多すぎないだろうか?(次期オバマ政権の中枢選択者はすべてこの国民的アメリカゲームに何ならかの関係を持っている)。
このバラク・フセイン・オバマへの全面的なヒステリックな愛は、それでも、年の現象になった。この現象をもう少し注意深く見てみよう。
過去の10年間での争う余地のないように思われたアメリカのリーダーシップと「アメリカの世紀」は、金融危機の到来では全くなく、もっと遥かに早く(とうとう始まることがなく)終わった。例えば、中国が生産量でアメリカにもうすぐ追い付くことが明白になった時にだ。そしてそれは、イラクが単に個別のそして一時的な失敗でえあることが判明した数ヶ月を見ればだ。
アメリカのリーダーは、最も無邪気な国を除き、すべての国にとって、かつて一度も純粋な道徳的な範疇にはなっていなかった。「世界での多くの人にとって」アメリカの民主主義に対するレトリックは、多くの場合、アメリカの「ヘゲモニー」の継続のために口実に響いたとアメリカの哲学者フランシス・フクヤマは述べた。この種のリーダーシップは、アメリカがすでに何十年も亘って実践しているところによれば、戦争のみならず資本を要求するっものである。極限のケースを引用すれば、数千億ドルの浪費と4000人を越えるアメリカ人と数万人のアラブ人の生命(これはイラクだが)の犠牲だ。もう少し安いが、そこまでの金額には至らないが、サーカシビリ体制の創設、彼の嘘の機構と軍の武装もある。これは全く別の金額で済んだ。しかし、すべての希望者に「アメリカの民主主義」を推進するには今は資金が足りないことは全く明らかだ。
それでも、オバマに期待したい。彼が過ぎ去った時代から何かしらを戻してくれることを。期待しているのはヨーロッパだけではない。何かしたらとは何か?
2008年の重要出来事(それは勿論金融危機であり、北京オリンピックではない)は、群棲本能が世界を制することを示した。しかし群棲は、責任能力のあるリーダーなしのままに終わった。ブッシュその点では愛されなかった。オバマからはブッシュのいないブッシュ政策が期待されているのはなく、彼が世界経済の機能の全モデルを取り戻してくれることが期待されているのだ。しかもその際、ブッシュの愚かさを繰り返すことなく。これが可能であろうか?
経済、これは、人の振る舞いである。アメリカは経済的リーダーシップを維持して来た。なぜなら、アメリカ市民は益々多くの消費をすることを学んだ。しかもローンまで使って。ローンを与えるのは銀行だ。その後、歴史の中で飛行機の回りに発生した。つまりすべての乗客、パイロット、クルーが一度に、あのように重い金属の固体が飛ぶのではなく飛行機が落ちることを考える。そしてそれは落ちた。
人間の心理はいつも、過去にあった良いことを取り戻そうと努力させるものだ。すべての人が、いつアメリカ人が再び、金銭を惜しまず消費を増やすのかと待っている。そうすれば、全世界の輸出生産は稼ぐだろうし、アメリカの消費もかつてのレヴェルに戻る。世界の経済はこのようにして稼動して来たのだ。
今度のアメリカがこれをできるだろうか?現時点でアメリカは、金融危機の最初から、百万人の雇用の場所を失った。しかも、このプロセスは尋常でなく発展している。職場を失っているのは銀行マンも自動車産業も建設業界もすべての人だ。これは自分の業界だけでは食い止めることの出来ない連鎖反応だ。経済の重要問題は、失業者だ。なぜなら、彼らは十分な消費が出来ないからだ。しかしアメリカ人は誰も、今の所、これで解雇が終わるとは思っていない。
もしかしたら、アメリカ市場の役割を誰が別の人で引き受けるのか?ヨーロッパや日本ではないことは明白だ(11月には日本の輸出は記録的な下落率27%の落込みで、この国は基本的にこの水準に甘んじた生活している)。資源輸出国であるアラブやロシアや他の国、これらの国は資源のお陰で浅い傷で済み、上手くはやっているが、でもない。
そうなると、11月に自国経済に6000億ドルものドル貯蓄を注入した中国だろうか?中国は、8%(この数字は中国人自身が希望した数字であるが)、もしくは(尤もスコットランドの王国銀行の評価はもっと悲観的に予測しているものの)5%と言う唯一の2009年度巨大成長経済になると予測されている。果たして中国は、せめて30-40の国でもよいからそれらの国のために、アメリカに代わり世界経済の牽引力になり、資源ベースの需要ではなくて、世界が渇望する消費時代を世界に戻すことが出来るだろう?そして中国の価値の推進に必要な人に資金を提供することが出来るだろうか?
その時は、完全にオバマではないところに、熱病に罹った期待を寄せなければならないだろう。