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中国は宇宙開発で世界の中心国になる?
11:2510/10/2008
 

 

 

アンドレイ・キスリャコフ、ノーヴォスチ通信社に寄稿。

 

東半球で、世界の宇宙開発で、古いプレーヤーを脅かす新しい開発センターが、非常に近々に誕生するかも知れない。中国は、現在、世界の宇宙開発のリーダーの役割を明らかに狙っている。しかも、その際、純粋に科学技術の成果を見ても、地球の巨大な地域を占め並外れた経済ポテンシャルを持つ国々の宇宙計画を自分の原理の下に統一させる積極的な組織活動を見ても、北京がそのようなセンターになれることを促進している。

 

 

例えば、10月始めスコットランドのグラスゴーでの国際宇宙会議で、中国宇宙局々長スン・ライアンは、宇宙開発の分野でアジア-太平洋協力機構の実際の作業の実質的なリーダーになる意向を表明した。アメリカやロシアやヨーロッパからの世界の宇宙開発の会議に出席したリーダー国のうちで、中国のこの事業の意義と広範な結果を過少評価する国はなかった。

 

ついでに言えば、アジア-太平洋協力機構は、中国、タイそしてパキスタンによる提案ですでに1992年に誕生していた。2005年の10月には、組織設立の合意書に中国、モンゴル、パキスタン、タイ、イラン、ペルー、バングラデシュそしてインドネシアの8ヶ国が調印した。少し後にトルコが加わった。将来的には、同機構には、アルゼンチン、フィリピン、マレーシアそしてウクライナが加盟する可能性がある。

 

しかし、その中の、ミサイル技術を積極的に使い発展させている中国、パキスタンそしてイランの3ヶ国を含む現在の加盟国の構成でも、高度技術を持つ立派な組織だという称号を付与しても良い。加えて、タイとインドネシアは、自国の衛星船を稼動させている。中国が機構を庇護しているこということは機構の活動が、現実的な、そして、成功を導く性格を持つものになることは間違いないだろう。

 

なぜなら、中国の宇宙計画は、すでに他の諸国が歩んだ道と同じ道を歩んでいるにも拘らず、発展の高さを次々に上げながら、ダイナミックに推進されている。自国の軌道実験室の設置を、以前の3回の有人飛行の成功に鼓舞された北京は、わずか3年で実現しようとしている。並行して、新しいタイプの打上げミサイルの開発も進めている。さらに、次に来るべき宇宙船を月に打上げることも含む宇宙開発研究の明確な計画も推進している。有人探検の準備も進めている。

 

これらは、すべて、中国は現在強力な宇宙国家になり、アジア-太平洋地域での疑う余地のないリーダー国になったことを物語っている。アジア-太平洋協力機構の可能性を利用して活動すれば、中国は宇宙開発の世界でのリーダーになる可能性を持っている。

 

ところで、NASAでも、ロスコスモス(ロシア宇宙局)でも、ヨーロッパ宇宙局(EKA)でもお互いの明確な協力計画があるのかということについては自慢するほどではない。現実的は、本当の相互協力は、宇宙の研究で国際協力を行なうことに忠誠心を持って臨むよう高らかに声明を出すことのよってのみ実現される。実際は、アメリカ人にとっても、ヨーロッパ人にとっても、主要課題は、宇宙への単独飛行を確実にし、かつ、戦略的独立と安全を保証するのに相応しい情報を確実に入手することにある。

 

まさにこのような目的を、打上げ設備の総合的発展と遠い宇宙の大規模な研究の組織を目的とするNASAのグローバル計画「星座」は追及している。しかも、この計画に他の国が参加することについては、殆ど取り決めがない。

 

宇宙の分野でのアメリカとロシアの協力について言及すれば、それは、現在、国際宇宙ステーション(MKC)計画が主たる基礎になっている。しかし、もし、NASAが宣言した声明を度外視すれば、アメリカ人は、強制的な策として、ロシアの宇宙船を利用することを検討している。さらに、NASAでは、現在まで、「スペイス・シャトル」計画の終了後MKC計画自身の将来について明確に語っていない。

 

ロシアとヨーロッパの宇宙開発では、緊迫性ははるかに少ない。しかし、はっきりとした共同計画もない。開発をロスコスモスとEKAが主導した新しい多面的な輸送宇宙システムを創設する計画があるが、それはどうしても実際に効力を出す方向に移って行ってない。さらに、9月末、有人飛行事業での「ロシア」への依存を許し難いとする発言をヨーロッパ産業司令官ギュンテル・ヴェルホイゲンが放った。

 

しかし、まず第一に宇宙開発が相当する巨大科学技術プロジェクトは経済・技術的見地からは単独で実現することは非常に難しい。この観点から、関心があると思われるのは、9月の末に発言されたツィオルコフスキー記念ロシア宇宙アカデミーの準会員アンドレイ・イオニンの意見だ。

 

イオニンは「現在、我々は、宇宙での我々の重要パートナーは誰かということを良く考える必要がある。恐らく、西側から東側に我々の目線を移行する時期が来ている。中国や日本や韓国が嵐のような勢いで発展しているアジア-太平洋地域に経済、技術そして政治の中心が流れ移っている」と考えている。

 

いずれにせよ、この中心が移行するステップの土台は、アジア-太平洋協力機構の実際の活動の始まりと共に、はるかに強固になるだろう。