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ロシア下院、4党存在するが名前だけで実質は1党だけ
15:3005/12/2007
 

アンドレイ・ヴァヴラ、ロシア・ノーボスチ通信社、政治解説員。

 

12月3日の下院選挙の結果は全く予想通りだった。社会学者と政治学者の予想は完全に裏付けられた。下院に議席を持った党の獲得した得票率は数パーセントの割合まで正確だった。

今度は我々はこれらの結果をもとに何をすべきか?

一方では、我々には1党制が形成されなかったことは良いことだ。1党制になる恐れは十分に現実的に予想されたこと。なぜなら、統一ロシアにと投票するというより、むしろプーチンに投票すると言った方が良いからだ。我々には、せめて1,5党体制が形成されたのかとうと1,5党すら形成されていない。1,5党体制なら、かつてあるいは現在まで日本、インド、メキシコ、イタリアに存在していたか、あるいは存在している。下院に議員を送り込んだ残りの3つの党を半分と見なすことすら難しい。これらの党が得た議席数は、彼らに何の影響力も与えることを可能にしなかった。これらの党が「賛成」と言おうが「反対」と言おうが勝利党にとってはどうでも良いことだ。

彼らは、立法府に存在していること意味するだけで、法律作成には、どちらの方向に向かう法律であろうと、何らの権利も持ち得ない。

覚えていないならば、思い起こしてあげよう。かつて、このような「人民民主主義」、ワルシャワ条約機構という組織がかつてあったことを。ソヴィエトの1党体制と違い、そこには、立法機関には、何らかの「小人政党」が存在していた。そして、そこで何らかの民主主義機能を果たしていた。何にも影響を与えないが、多党制であるということを言わせることはできた。我々には「人民民主主義」諸国からコピーをするつもりは殆どなかったのだが、多他党はできた。どうやら、2党体制を形成する希望があっても誰を「第2党」にするか、とうとう協定を結べなかった。第2党を作れなかったのは、統一ロシア以外の、どのイデオロギーを選択するか協定を結べなかったからだ。

候補者の誰も、自分の弱点はある。「公正ロシア」?これはプーチンを支持している意味で政権党だ。しかし統一ロシアとは党員の顔ぶれが違う別の登場人物だ。(乱暴に言えば、もし統一ロシア、これは熊とすれば、公正ロシアは雌熊か小熊だ)。ロシア共産党?共産主義イデオロギーの崩壊の例となった共産党を国内の強い野党にすることはおかしなことだ。自由民主党?しかしこれは、そもそも1人の党だ。(尤もその1人も強力人物であることは認めないわけにはいかないが)。加えて、折衷的で、公然とした人気取り思想を持っている。

従い、下院選挙が滞りなく終わった今、統一ロシアは、この結果をどのように進めるか、今後どう展開させるか、は未開決の問題だ。つまり、どこに何を発展させるのか、そして、それらから何を育て上げるか、は未解決だ。

勝利党だって解決すべき問題はある。現在、党を救い上げたのは大統領だ。しかし、党の内部から出る情報によれば、人材と知的困窮は明らかだ。

選挙の前夜、民主化を唱える複数正義の党の敗北も予想されていたことだ。これら正義の党は政権に返り咲くのではないかと我々を露骨に驚かした。しかしこのテーマは正直言えば、若い世代を情緒的に誘い込み得票を狙うためのものだった。これら正義の党が獲得した得票率は合計しても7%の障害にも届かなかった。これは、これらの党が主張する正義の思想が危機に瀕しているだけではない。直面しているのは、これらの党を代表する具体的人物たちも政治生命の危機に瀕していることだ。もはや誰から、何も、良いものことを期待されていないすでに飽きられたこれらの人物がこれらの党にはあまりにも多い。ましてや、再び国家の舵を取ることを任せられる人物がいると考えている有権者は殆どいない。さらに、これは、これらの党にとって選挙を戦う上での決定的で絶対的で無条件の危機だ。軍隊の中で新兵のスイチェフ事件(激しいいじめに遭い足を切断された事件、ロシアの軍隊はいつも新兵いじめが伝統である)があった。この事件を利用する試みは、選挙戦に利用する限度を越えるものだ。年金者へのアピールにしても全く関係のない(他党を支持する)有権者を取り込もうとする試みだった。従い、このアピールが失敗に終わったことは当たり前のことだ。

どうやら、正義を唱える党は、下院に議席を送るために何が何でも努力する必要すらなかったのだ。必要なことは、人気取りと種々の悪い趣味の風変わりで自分の支持者を驚かせずに、権益を維持し、すでにある選挙基盤を確保するだけで良かったのだ。(実際に人々が本当に憂慮する問題を解決する能力は彼らには明らかにない)。

正義党にとっての痛いテーマ、正義思想を持つ反対勢力を統合する思想がいつものように瓦解するということに、もう一度触れたい。抑えがきかない野心、妥協と共通の土台を探すことの非希望、残念ながら、これは、現時点の正義よりの党の人物の共通する思想である。政治はそのように統治してはいけない。そのようにすれば駆け引きの政治になってしまう。政治を駆け引きに使う遊びの時間は大分前に終わっている。