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アルタイ:休息の地
16:0615/03/2007
 

モスクワ。ロシアEノーボスチ通信社解説員オリガ・ソボレフスカヤ。
2006年に実施されたコンクールの結果、ロシア経済発展商業省は、旅行リクリエーション型の経済特区の設立のために7つの地域を選定しプロジェクトを立ち上げた。シベリアの共和国アルタイのためのこのプロジェクトは、企業及び投資環境が改善され、優遇税制と関税が適用される「旅行天国」を設立するプロジェクトであり、プロジェクトの中でも最初に開発された。アルタイのマイミンスキー地区とチェマリスキー地区に経済特区を設立する決定に、2月3日にミハイル・フラドコフ首相が著名した。保養所とアルペンスキー旅行の中心地としてアルタイの可能性に多いに期待が掛けられている。
2008年度の予算配分についての国会上院への親書の中で、ウラジミル・プーチンは、「経済特区での課税の特恵制度の適用が決定された」ことを声明した。インフラ整備に対し政府予算が適用され、行政上の障害も縮小する予定になっている。


ビジネスから出発する。


「法制基盤は敷かれた。現在は、経済特区を効果的に機能させる制度を作ることが必要だ」と連邦経済特区管理局局長のミハイル・ミシュスチンは強調する。管理局の試算によれば、旅行リクリエーション型経済特区で企業活動することになる企業は平均で約30%のコスト低減が可能になり、旅行活動協定にもとづき、経済特区で営業する企業に供与される土地の賃貸料は最大でも通常の年間賃貸料の2%で済むとしている。企業家にとって経済特区の住人になるには、上述の管理局の当該支部に企業のビジネスプランを申請する必要がある。予想では、経済特区で営業を行なう申請をしている企業数は、ロシア企業と外国企業とでほぼ半分だ。
アルタイ共和国での経済特区設立への投資額は、今のところ120億ルーブル(約516億円)で、そのうち、48億ルーブルは国の予算から拠出される。しかし、地元政府副会長のセルゲイ・テヴォニャンは、「実際には合計額はもっと多い。2007年は、経済特区設立の構想を専門的に評価し、飛行場、道路網、旅行地や景勝地への接近道路そして公共用の設備など、周辺インフラの整備に掛かる経費を詳細に検討するための年になる」ことを確信している。
テヴォニャンによれば、アルタイへの投資および旅行の魅力を高めるために必要ななことは、まず最初に、交通トエネルギーの問題を解決することだとしている。旅行につては、訪問客の大部分は、今のところはアルタイ地方、ノヴォシビリスク、ケメロヴォ、トムスク、チュメニ州と言った近隣地域のロシア人だ。モスクワとペテルブグルからはわずか15%の訪問客だ。外国からの旅行者の数は、今は全体数のわずか8-10%だ。
アルタイ共和国と隣接のアルタイ地方の経済特区は、一体化したインフラで結び付いている。特区設立の第一段階は、2010年までに、第二段階は2016年までに完了するよう計画されている。本年は、経済特区設立プロジェクトの一環で、ゴルノ・アルタイススク(アルタイ共和国の首都)空港の改装工事が始められる。飛行機用の離着陸プラットフォームの建設が始まり、離着陸ゾーンを遠ざけ、そのことにより、より高いレヴェルの飛行機の受入れが可能にある。さらに、四車線走行道路が建設され、最初の段階はゴルノ・アルタイスクからマンジェロクまで、その後チェマルまで延長される計画だ。

ロシアのアルプス山脈。


アルタイ共和国から選出の上院議員ヴィクトル・ロパトニコフの言葉によれば共和国には「最高にきれいな空気、素晴らしい風景、伝統の歴史、従来とは異なる形態の医療など、健康にとってすべての要素が揃っている」と述べている。チェマル地区行政部では2ヶ所の投資地区、チェマル-1とチェマル-2を設置することを提案している。チェマル-1地区は、サナトリウム療養地だ。ここには31ヘクタールの面積に肺病の療養をするサナトリウムと多機能サナトリウムの建設が予定されている。建設は前者はモスクワ政府が、後者は「アルタイ・ヴェスト」社が行なう。主な仕事は2010年までに終了する。将来的には、ここには、療養娯楽センター、室内プール、ゲーム及びスポーツ設備も建設する予定になっている。
チェマル-2地区は200ヘクタールの敷地を持ち、旅行拠点「カトゥン」(オビ川の支流の名前)と並んだ巨大旅行センターの建設が計画されている。方々に点在した多数の細かい旅行拠点に代わって、1つの統合されたインフラで整備され、共通のPR宣伝で管理された集中型サナトリウムと旅行拠点が建設されることになる。そうなれば、総合クラブやコンサート広場やホートも建設されるだろう。
マンジェロクには、国際クラスのアルペンスキー保養地が建設される予定だ。シニュハ山(高さ1210m)と並んでアルペンスキーニュータウンには、一度の8000人を収容できる設備が建設される。道路の収容能力は最大12000人まで可能だ。保養地建設の構想は、金融産業グループの「アレマル」が考えた。その際、フランスやオーストリア、スイス、カナダそしてアメリカの専門家も動員された。
アルタイ(古代チュルク語で「金の山」の意味)は「ロシアのアルプス」あるいは「ロシアのチベット」と呼ばれている。アルタイの豊富な自然には、湖や氷河の淡水の巨大な埋蔵、鬱蒼とした針葉樹、太古の植物で生い茂る高山草原とステップ、貴金属や希金属がある。
アルタイの自然と気候は、景勝地巡りの文化旅行からハプニングを堪能するアヴァンチュール旅行まで、あらゆる種類の旅行の発展に都合の良い条件が揃っている。現在、アルタイ共和国には、主要旅行施設として、「コクス-トラヴェル」、「カトゥン」、「トゥルシブ」、「ユルトク生態旅行センター」、テレツク湖岸にある「アルトゥイン・センター」そして「マンジェロック・キャンプ」という旅行拠点がある。
アルタイにある氷河の数(1330)と氷上の面積は、世界の山岳国のなかで3番目を占め、登山家を惹き付ける魅力になっている。ベルーハ山(4506m)の山塊の近くには169の氷河が集中している。9月になると標高2000m以上の高さは常に雪で覆われ、アルペンスキーがこの地で発達する大きな要素となっている。
特別保存地域と総合自然地帯を合わせた面積は共和国全体の面積の22%に達する。アルタイには、また、湖、水源、滝、洞窟も豊富にある。アルタイ共和国の一連の豊富な自然(テレツク湖やベルハ山、など)を含んだ「アルタイ、金の山」プロジェクトは、ユネスコの世界遺産にも登録されている。

アヴァンチュールを求めて。


「アヴァンチュール旅行」を好む人にとっては、アルタイは、魚釣り、熊、シベリア産アカシカ、ヘラジカ、狐、イノシシ、キバシオオライチョウなどの狩猟を堪能すると良い。ここには「ウチ・スメル」という狩猟用旅行の拠点がある。また、未開の川の浮送や乗馬旅行も堪能できる。生態見学を好む旅行者はここでは珍しい動物、例えば、ユキヒョウに遭うことができる。
アルタイ共和国(面積92900m2)のロシア側国境は、中国、モンゴルそしてカザフスタンと接している。ここでは、万華鏡から見たような一連の古代文化が保存されている。民族移動の際の遊牧民族が移動した道が交錯している。人々はこれらの土地を百万年も前から休憩場所として選び休息していたのだ。アルタイでは、さらに、異教、キリスト教、仏教などあらゆる文化がまだらに行き交っているのを見ることができる。ここには、110の民族の代表が住んでいる。(古来の民族アルタイ人、しかし、ロシア人はそれより2倍多く、この地の全人口の63%を占めるが)。さらに、ここには、考古学上または民族的な歴史や文化の記念碑の数は数万に上る。アルタイ共和国の領地での原始人の古代の一時的滞在地は、郊外のゴルノ・アルタイスク地区(百万年から百五十万年前の記録がある)にあるウラリンスキー堡塁(土塁)だった。デニソフ洞窟での一時休憩は人が滞在した時期としてはアジアでは一番古代の記録ではないだろうか。
経済特区推進のためアルタイは、3月始めにベルリンで開かれた国際旅行見本市「ITB」で特区のプレゼンテーションを行なった。プレゼンテーションはカンヌでも行なった。アルタイ共和国には経済特区監視協議会が設立された。これは、上述の連邦経済特区管理局、共和国当局の行政執行機関と、ロシア商工会議所あるいはロシア産業企業家同盟の代表者たちからなる協議会だ。