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宇宙旅行者はどこに、そしてなにで飛立つのか?
07:2523/06/2008
 

アンドレイ・キスリャコフ、ロシア・ノーボスチ通信社、政治解説員。

 

 

何回も我々は本当にロシアの矛盾に遭遇している。我が国の宇宙飛行界は最初に宇宙旅行を承認したにも拘らず、その後の発展に繋がっているのは我が国ではない。さらに言えば、「ロスコスモス」社が旅行者を宇宙に積極的に取り込もうとしている現在の形態は、明らかに、国家の宇宙計画を推進するための利益には繋がっていない。

 

そんな中、9人のロシア人がすでに、著名なイギリスの企業家でナイトの称号を持つリチャード・ブランソン(1950年生まれ)が統括するVirginグループ傘下の英米会社Virgin Galactic社により開発された民間宇宙飛行機「Spaceship-2」で宇宙に旅立つ切符を予約した。この宇宙船の最初の飛行見本は会社は7月に公開する予定にしている。

 

アメリカに総司令本部を持つ世界で最初の宇宙旅行会社Virgin Galacticの指導部の意見では、12年間で数十万人を宇宙に旅立たせることができるとのことだ。尤も、無重力を体験できる地球周辺の空間での飛行自身はわずか数分しか続かないが、旅行費用は完全に手の届く20万ドルだと言う。

 

アメリカの企業家たちは、40-45台の宇宙旅客機を編成するつもりであるとのこと。この場合、数十年後には、毎年、ニューメキシコ州に建設中の宇宙旅行専門の空港から2時間の準宇宙軌道への旅行「地球-宇宙」に、船内にそれぞれ6人の旅行者を乗せた3-4台の宇宙船の出発が可能になるとしている。

 

現在、最初の出発の切符はすでに売り切れで、前金を払っても旅行したい希望者は約85000人もいるという。

 

ロシアの宇宙飛行の指導者は、まだ「ミール」の晩年期に、宇宙旅行を発展させることを計画していた。しかし、ロスコスモスがこの夢を実現することが出来たのは、アメリカのSpace Adventures社の斡旋で、すでに国際宇宙ステーションになっていたが、同ステーションにアメリカ人デニス・チトーを飛行させた2001年だけだった。それ以来、今日まで、ロシアは、宇宙飛行のベテラン宇宙船「ソユーズ」で国際宇宙ステーションに旅行することだけを本当の宇宙旅行と見なしている。当然、ロスコスモスが期待していた大衆性については何ら達成することはなかった。現時点で、ステーションには、1週間の旅行で平均価格が2000万ドル以上に達する費用で飛行した都合5人が滞在した。

 

のんきに国際宇宙ステーションに旅行する最も魅力的な構想はこれで終わりになった。今では、ステーションの人員を6人まで増員することがすでに計画されている。2010年までアメリカのシャトル計画が十分に稼動しないことを考えると、ステーションまで乗務員を運びそしてその後の帰還させる唯一の方法は、旅行者がどのような希望を持とうと、もはや押し込むことができないわずか3人乗りの「ソユーズ」をいまだに利用する以外にない。

 

突然、軌道に裕福な訪問者がいなくなったら、本当にやっていけないか?

 

ロシア宇宙会社(ロシア語表記РКК)「エネルギア」社の飛行宇宙センター次長で宇宙飛行士のパーヴェル・ヴィノグラードフは「宇宙旅行は、現時点では、我々プロフェッショナルにとって、残念ながら、大きな問題になっている。それは何らの財政的問題を解決してくれていないからであり、我が国の有人飛行の理念の基盤を内部から崩壊している。なぜなら我が国は若い宇宙飛行士を宇宙船から降ろし、彼らの代わりに旅行者を乗せることを余儀なくさせるからだ。旅行者はみな非常に良い人だ。しかし彼らはプロの宇宙飛行士ではない。しかし現在は、残念ながら、旅行者のための場所を我々はプロの飛行士を降ろすことによってしか見つけることが出来ない状況だ」と語っている。

 

しかし、ロスコスモスは簡単には屈服しない。旅行者を宇宙船の乗務員に加える以上は、彼らに個々の「ソユーズ」をあてがうしかなくなる。国際宇宙ステーションへのロシアの宇宙船の最初の商業飛行をさせる協定が、「Space Adventures」社の言葉によれば、6月上旬にロスコスモスとの間で締結されたとのことだ。

 

そして、国際宇宙ステーションの乗務員は補充されるわけだが、そのためにの宇宙船の建設から非常に困窮した産業設備を引き離す必要があることも悪いことでなない。今回は、旅行に、Space Adventuresの新しい投資家でインターネット巨人Googleの創設者の1人セルゲイ・ブリンが参加した。どのような支援を国際宇宙ステーション計画にこの探査船の所有者がしてくれるのかは第3者が評価するだろう。

 

はっきりしていることは1つだ。宇宙旅行の現実的で大衆的な流れはロシアから遠ざかった。ロスコスモスが、言葉ではなく実際に、高速飛行機M-55をベースにミャシシェフ設計研究所による宇宙旅行飛行機の製造プロジェクトをかつて支援していたならば、事態は違ったものになっていただろう。しかし、プロジェクトはとうとうプロジェクトのままになっている。

 

成功した隣国を批判することははるかに簡単だ。年初にロスコスモスの匿名の情報筋は、Virgin Galactic計画について雄弁に意見を述べた:「分単位あるいは秒単位の近距離宇宙への短期旅行は、国際宇宙ステーションへの宇宙飛行とは共通点は何もない。また、気位の高いロスコスモスは、このような飛行の実現のために然るべき資金原資を持たないで、数百人の人々からだけ資金を徴収するような道は選択しないだろう」と論評している。

 

見事な発言だ。ただし現実は本当にそうであるかは判らない。