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大統領のパズルに届く候補者は誰か?(頭髪が規準になる?)
09:0528/11/2007
 

アンドレイ・ヴォヴラ、ノーボスチ通信社、政治解説員。

 

 

連邦会議(上院)は、時期大統領選挙の日を2008年3月2日と決定した。この情報は、11月28日に公式発表されることになっており、その日から公式に大統領選挙キャンペーンがスタートする。ロシアの中央選挙委員会会長のウラジミル・チュロフの発表によれば、候補者の出馬登録は12月12日から来年の1月16日までに行なう。その後2月2日から29日までマスコミや報道機関に登場する本格的な選挙戦に突入する。

誰が次期大統領になるか「占う」根拠はある。ましてや、今は、プーチン後の政権の輪郭が最終的に形成されているから占いはし易い。新しい大統領は、現在の大統領とデュエットで政権を統治できる人物でなければならない。

現時点では、誰が後継者になるかは明確には判らない。候補者の数もかなり多すぎるほどだ。1年前に見受けられた候補者がほとんどすべて勢揃いしている。ドミトリー・メドヴェジェフ、セルゲイ・イワノフ、セルゲイ・ナルイシキン、ボリス・グルイゾフ、ウラジミル・ヤクニン、ワレンチナ・マトイヴィエンコ、セルゲイ・チェメゾフたが立候補している。そしてもちろんヴィトル・ズプコフも入っている。

誰も脱落したわけでなく、また誰も文句なしの本命になった人物もいない。定期的に変わるその時の政治状況で誰かが有利になっているだけだが、誰が有利になってもその状況は決して長く続かない。

プーチン路線継承者として相応しいのは彼らのうちだれだろうか?上述の人物はすべて大統領チームに属している。従いすべての人物が路線を受け継ぐことはできる。従い他の要素が決め手になる。彼らのうち誰がプーチンと有機的にドゥエットを組めるかということである。テレビ画面に並んだ時も演説の内容からも誰がプーチンとドゥエットを組んで見栄えがするかである。つまり、プーチンのパズルまで誰が到達するかに掛かっている。

通常、候補者にとっては、その候補者がどれだけの力量があるか、どのような内容かが非常に重要である。しかし、新しい政治構造では、大統領は過度に強くそして依存性が強くても駄目なのである。そのような候補者は矯正あるいは修正される必要がある。矛盾や紛争の素地を作りそうな候補者も駄目である。従い、今回の場合、そのような素地を持つ候補者は価値はゼロである。なぜなら、基礎的な力として、プーチン自身が提案できる人物、プーチンの力になれる人物であることが重要なのである。

ズプコフは最も都合の良い、首相という出発点としては一番良いポジションにいる。しかし彼の首相としての見栄えのする始まりは長く続かなかった。彼は、マスコミ用の政府会議を閉幕してしまい、本来彼にとって必要な自分の自己表現を発揮するための情報及びPRも場面を閉ざしてしまった。これは、プーチン大統領の許可を得て行なったことは判る。それは、大統領が首相をあまりよく知ってもらいたくない、これ以上好まれることを希望しなかったからかも知れない。

イワノフは、ナノテクノロジーの分野に強い。ナノテクノロジーにはもちろん将来があるが、この分野はあまり理解されていない。理解されていない分野の活動をする人物が後継者になることをプーチンはどう思うだろうか。

メドヴェジェフは「社会問題」の方向で努力している。彼は、住宅問題、抵当問題、農業問題、移民、保健、そして教育の部門で主要人物だ。彼は、農村にトラクラー、コンピューター、X線診断装置を納入し、医師や教員の給料を上げた。すべてこれらは国家にとって非常に重要だ。しかし、この分野は将来の大統領のトレーニングの直接の場所としてはどうだろうか?

ナルイシキンは、絶対的な閉鎖人物である。公的な場所には殆ど顔を出さない。ここでは、実質的にゼロから運動を始めなければならなくなるだろう。

グルイゾフ、「統一ロシア」に関してはプーチン大統領は、すでに、我々には統一ロシアよりも良い党はないとの立場を示している(尤もこれは、統一ロシアが真に良いであることと、統一ロシアも悪い所が多いが他の全ての党に比べたらまだましという2重の意味が少し含まれているが)。その政権党の党首が自動的にその国家のリーダー(グルイゾフ)に移行するのは論理的であろうか?論理的だ。

ヤクニンは、鉄道について多くの努力をし、さらにロシアに神聖な力を導入するよう活動している。彼がリーダーになったら社会の道徳的基盤が強化され、営利に走る政治と経済の基盤は弱まり、精神面を強化してくれるだろう。

チェメゾフは、ロシアの兵器の取引を非常に上手に行なっている。これは非常に高く評価できる。しかし彼も公式の場面には出てこない。つまり、この人物もゼロからスタートしなければならない。

マトヴィエンコ。ロシアでは過去に女性リーダーは存在しなかったのでこれは魅力的なことだ。マトヴィエンコが選出されれば女性が国家リーダーになる世界の傾向と非常に合致する。ヨーロッパもアジアも南アメリカも女性が大分前から国家の最高級ポストの法的候補者に名を連ねている。しかし、マトヴェインコは定期的にプーチン大統領を交流しているが、毎日ではない。彼女はいつも目の前にいるわけではなく後継者の可能性としては幾分不都合がある。

つまり、後継者の職務には誰も本格的には合格点が付けられない。すべての候補者が同じ状態にあると言える。

しかし、それでもある候補者には、一定の優越点はある。プーチンが述べたように、後継者は「現代的」な要素を持っていなければならないことだ。これは、特に、若者に理解され、若者と同じ言葉で会話できること能力があることである。

下院選のキャンペーンでは、アクセントは若者に置かれた。キャンペーンは、将来との結びつき、将来への前進を保証する重要な力と見なされている。しかし、その力とはナルイシキン、ヤクニンそしてチェメゾフは有機していない。ズプコフもそうだ。若者とうまくやっていけるのは、今年の夏にセリゲル市で開かれた「ナーシフ」(我々の)という大会に出席したイワノフとメドヴェジェフだ。

全く判らない状況の中で、国民の迷信に頼りたい。ロシアの10月革命以後の歴史の中ではある法則があった。国家の政治リーダーは、頭髪のある/薄いの順番で交替している。頭髪があるリーダーを「в」、薄いリーダーを「л」で表すと、次のようになる。レーニン「л」-スターリン「в」-フルシチョフ「л」ーブレジネフ「в」ーアンドロポフ「л」ーチェルネンコ「в」ーゴルバチェフ「л」ーエリツィン「в」ープーチン「л」ー ?「в」。

この規準で判断すると、誰に良いチャンス、いや、多くのチャンスがあるかが判るのでは?