宇宙サービスは金融危機下でも伸びている
12:0502/02/2009

 

 

アンドレイ・キスリャコフ、ロシア・ノーヴォスチ通信社に寄稿。

 

金融危機は金融危機に違いない。しかし宇宙開発は絶え間なく発展し行かなければならない。どうやら、今年は、まさにこのテーゼ(命題)が、ロシア宇宙局により積極的に設定された。しかも、この「金融危機」の年でも、宇宙分野の計画は全く危機にはなっていないようである。

 

しかし、何はともあれ、まさに「主な積極果敢な攻撃」の方向として選ばれたのが我々の国家的得意分野、宇宙開発、とりわけ、打上げ設備や打上げサービスであることは喜ばしいことだ。さて課題は、となると、いかにこのサービスの提供を最大限に効率よく充実させていくかだ。とりわけ宇宙分野での打上げサービスを充実させることだ。

 

新年を前にしたモスクワ郊外の飛行コントロールセンターでの記者会見で、ロスコスモス(ロシア宇宙局)局長アナトリー・ペルミコフは、2009年にはロシアは、39回の宇宙への打上げ回数を達成することにより、自己の持つ打上げ回数の世界記録を破るつもりだと明言した。

このように多数の打上げを提供することにより最大限の利益を獲得することを呼び掛けているのが、「2010-2015年のロシアの社会・経済発展のために宇宙活動を利用する連邦目的プログラム」だ。このプログラムは、遅くとも今年可決される予定になっている。そしてそれに掛ける財政規模は407億ルーブル(約1100億円)に上るだろうとされている。「計画は、我が国における宇宙商品とサービス市場を設立し発展させること、さらに、宇宙活動の結果を大規模に利用すること、を目的としている」と上述のアナトリー・ペルミノフは語っている。

 

ロスコスモスでは、今回の金融危機は、極東に新しい宇宙空港を建設することに何らの障害になっていないと確信している。すべての作業は計画通り進んでおり、「ヴォストーチヌイ」から最初の打上げが2015年に予定されていることも確認済みだ。

 

総じて言えば、今年は祖国の宇宙打上げロケット製造の強化にとって極めて重要になったと言えよう。やっと、統一宇宙ロケット企業を設立する旨の決定が採択の運びになった。ペルミノフの言葉によれば、2009年の上半期が終了するまでにはこの点に関して政府への提案が作成され、そして提案が可決された場合は、年の後半には統一企業の建設が開始されるとのことだ。

主要な国家的プロジェクト、宇宙衛星船によるナヴィゲーションシステム、GRONASS計画も進展している。昨年末には、ロシア下院は、議会で、政府の第一朗読で提唱されたGLONASSシステムを導入する旨の法律を採択した。法律では、軍事輸送及び技術設備、とりわけ、兵器に、地球規模で、ロシアのこのシステムをポジショニング(装備)させることが提案されている。法律では、「これは、ロシア連邦の国防と安全の確保、輸送活動のコントロール効果の強化、乗客や特殊及び危険貨物の輸送の安全レヴェルの向上のために必要なシステムである」と謳っている。2011-2015年の期間の軍備国家計画の一環で軍事技術のナヴィゲーション・システムを確立するために94億5000万ルーブル(約255億円)を投じる計画だ。

 

ロスコスモスの計画では、翌年には、GLONASS衛星船をそれぞれ3台ずつ2回、打上げることになっている。今春には、軌道ステーションGLONASS星座はロシアとその他旧ソ連国の領地の空を完全に把握することができるだろう。

 

ところで、始まった年(本年)は、宇宙開発の見地から見れば、重要であることは全人類にとって全く同じだ。そして、国際天文学連合(The International Astronomical Union (IAU))とユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の提唱で、国連総会が宇宙国際年に命名された。これは意味深いことだ。IAUは特別声明で、「2009年には、偉大なガリレオ・ガリレイ(イタリアの天文学者、地動説を唱える)が、すでに4世紀に亘りいまだに人類の理性を驚かすことを止めない天文発見の震撼する世界を発見した驚愕の発明、望遠鏡、で天体を初めて覗いた時点から400年になる」ことを思い起こさせてくれたのだ。