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地球の眼
10:1530/10/2008
 

 

 

アンドレイ・キスリャコフ、ロシア・ノーヴォスチ通信社に寄稿。

 

 

我々が再び人類にとって非常に必要な宇宙についての情報を取得する時期はすでに間近になっている。NASAのあの有名なハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、HST)のコントロールブロックの遠隔操作修理が成功裏に終了した。今は、来年の2月に打ち上げられる宇宙船「Atlantic」の7人の宇宙飛行士は、11昼夜の間に望遠鏡内で他の修理作業、破損した装置の1部交換、を行なうことになっている。このためには公開の宇宙に5回出る必要がある。

 

重量11,6トンのハッブル宇宙望遠鏡は、1990年に宇宙船「スペース・シャトル」により宇宙軌道に載せられた。望遠鏡は、宇宙飛行士が宇宙を詳しく覗き、多数の宇宙対象物を観察する際の手助けをしている。その能力は現在までに製造されたすべての地上望遠鏡を上回る。

 

望遠鏡はその構造的な特徴により、宇宙軌道から外し、宇宙船の仕切られた部分(コンパートメント)に搭載することが出来る。技術関係の宇宙飛行士は公開の宇宙に出て、装置の修理や交換を行なうことが出来る。大規模な修理が必要な場合は、望遠鏡は、宇宙船「スペイス・シャトル」の貨物コンパートメントに載せられて地球に戻され、その後、修理が終われば再び宇宙軌道に載せられる。

 

ハッブル望遠鏡は、その稼動の全期間で、すでに3回修理された。1997年に装置の大規模な交換が行なわれ、新しい断熱層が取り付けられた。1999年には、6台の新しいジャイロスコープと、従来の磁気テープにディタルダビング装置付きの処理機に比べ20倍速い処理ができる1台の新しいコンピュータが取り付けられた。2002年には、新しい太陽光電池と改良型展望カメラが設置された。

 

この望遠鏡の第4回目の修理のために差し迫っているシャトルの打上げは「スペース・シャトル」計画全体に大きな影響を与えることになると指摘して置く必要がある。なぜなら、NASAの計画によると、再使用型のこの宇宙船「スペース・シャトル」は、2010年までにそのミッション(使命)を終える。そして、残された数回の飛行の間に、国際宇宙ステーションの事業展開終了に関する国際義務を遂行することが要求されている。それにも拘らず、NASAは自分の望遠鏡の修理のためにシャトルの特別便を出している。しかも、もしさらにもう1回の飛行が要求されるならば、それは過密なプログラムの中で行わなければならないことはほぼ疑う余地がない。

 

この非常に大きい宇宙望遠鏡は、単なる普通の宇宙船とは異なる。この観測装置の船内から入ってくる情報はユニークであり、地上の条件で、遠い宇宙で起こっているプロセスをシミュレーションすることが出来る。このことにより、学者は、我々の地球の運命に根本的に影響を与えるかも知れない遠い宇宙の現象を予測ことができるようになる。

 

打上げの瞬間から数えると、ハッブル望遠鏡は、38億4000万キロメートルを超える飛行をし、地球の回りを100000回旋回した。さらに、800000回の観測と、25000箇所を超える様々な対象物を約500000枚の撮影写真を提供した。全部で、NASAは、宇宙観測装置から、アメリカの議会の図書館に保存される4分の1に相当するデータ量を取得している。

 

 

さて、ロシアはどうかと言うと、残念ながら、今のところこのような長期に順調に成果を出している宇宙望遠鏡に関する計画で自慢するほどもものはない。しかし、展望はある。そしてすでに1998年から存在している。ロシア科学アカデミー宇宙研究所は、フランスの宇宙会社と共同で、短期計画「グラナト」を作成し実行している。その計画の一環では、遠い宇宙対象物の研究のためにレントゲン望遠鏡の打上げが実行されている。

 

ロシアの計画「ラジオストン」では、ラヴォチキン記念科学生産合同とロシア科学アカデミー物理研究宇宙センターの力を借り、宇宙観測装置「スペクトル-R」を使い、我々の銀河系のブラックホール(Black hole、重力が強くさえも抜け出せない時空の領域のこと)と中性子星座の研究を行なうことになっている。

 

重量3,6トンのこの宇宙船「スペクトル-R」は5年以上積極的に活動させる予定である。この計画の特徴は、軌道宇宙船と、地上の電波望遠鏡網とを同時に稼動させることにある。これは、同一の周波数規準で、地上にある望遠鏡と宇宙軌道にある望遠鏡により同一の電波放射線を同時に観測することが可能になる。

 

望遠鏡「スペクトル-R」の打上げは2009年の末に打上げロケット「ゼニート-2」により行われる予定である。