アメリカとロシア、宇宙ゴミ排除では結束を
01:0524/02/2009

 

 

アンドレイ・キスリャコフ、ロシア・ノーヴォスチ通信社に寄稿。

 

さあ、とうとう2月10日が世界の宇宙開発の歴史に入ってしまった。軌道で初めて、2つの、人が作った宇宙設備、それも完全に無傷で、お互いが「追い付いた」。そのうちの1つ、アメリカの通信衛星船「イリジウム」シリーズは、ロシアの「コスモス」シリーズの通信装置と衝突するまで、死に絶えることすら考えず平穏に作動した。尤も、交通事故の祖国の当事者はすでに10年、働いていたのではなく単に宇宙で場所を占めていただけである。

 

もちろん、すべてはいつかは「初めて」という現象が起こる。しかし、今回の場合、出きりだけ遅いほうが早いより良い。なぜなら、その結果宇宙ゴミの更なる山が形成されたこの出来事は、もし我々がすでに極端に汚れている宇宙の通過ルートの浄化の維持に早急な方策を講じなければ、地球周辺の空間には通過する場所がなくなってしまうからだ。

 

すぐに社会を安心させる記述をしたい。現在、国際宇宙ステーションや宇宙船「スペイス・シャトル」用のかつての衛星船の約600に及ぶ断片は、何らの危険も与えていない。衝突は800kmより少し下の高さで起こった。この軌道では、ゴミは、地球への落下や大気の厚い層に早期に進入する危険のない状態で数十年間存在することができる。

 

しかし、NASAの複数の専門家は、衝突の結果破片の一部は上にも下にも他の軌道に移転したと見なしている。つまり、なにがしかの細かいゴミが国際宇宙ステーションと同じ350kmの高さのところにある確率が非常に高い。

 

実践では通信衛星船は低い中間の固定した軌道に打上げられる。その高さは、1000、10000、そして36000kmに及ぶ。

 

地球静止軌道では、衛星船は丁度1昼夜で地球の周囲を一回りする。この間の時間、地球はやはり自軸の周囲を一回りするので、衛星船は赤道上で不動に思える。地球静止軌道の主要な優位点は、地上の無線ステーションのアンテナは空を移動する衛星船を追跡する必要がないことだ。必要なことは衛星船が稼動している期間だけアンテナをいつも1点に照準を合わせるだけだ。大きな欠点と言えば、ある地上無線ステーションの無線信号の伝送と他のステーションが受信する時間との間に約4分の1秒の、信号が走行する距離が大きいために発生する遅れが生じることである。

 

低い高さの地球周囲軌道の主要な優位点は、その軌道に打上げるためにそれほど強力な打上げ装置が必要ないことだ。地上ステーションから地球周囲軌道までの距離は短いため打上げ用装置はそれほど強力でなくとも構わないからだ。しかし、このような軌道を移動する衛星船は地上無線ステーションに関して移動しているので包囲の連続性を確保するためには追跡アンテナが必要であり、1台の衛星船で済ませることはできない。

 

1990年代の初期のころ、西側では移動通信市場が急進的に発展し始めた。千周年の末までにアメリカは市場を基本的にものにした。同時に、「イリジウム」社は、地球規模の陸上携帯移動通信を保証していた低軌道の20の衛星船からなる星座を開設した。移動通信の恵みを求めては、かれこれ12年作業したあと消滅したアメリカの衛星船も努力した。

 

その同僚でロシアの衛星船は、1962年3月16日に生まれたソ連ロシアの最も大量のシリーズ、「コスモス」シリーズの一環で製造された。これらの衛星船の一番有利な部分は国防省の利益になっていたし、今でも同省が握っている。衝突の2番目の参加も否定できない。その名前は「コスモス-2251」だ。1993年6月16日に打ち上げられた衛星船は、近地点の高さ783km、遠地点の高さ821kmそして傾斜74度の軌道で国防省の特殊通信設備を強固にしていた。

 

現在は、両「英雄」は、その撲滅にどのように効果的に闘うか知られていない宇宙のがらくたの益々繁殖する雲を補給する役目をすることになった。

 

昨年の秋の日付で作成されたNASAの四半期ごとの最近の報告は、本当に重苦しいデータが記載されている。軌道には、12851個に及ぶ人工の大型物体があり、そのうち3190ヶは稼動中か故障した衛星船で、9661ヶはミサイルの段か別の宇宙ゴミである。

 

 

大きさが1cmから10cmの宇宙ゴミの破片は200000ヶ以上、1cm以下のサイズの破片は数千万ヶを上回る可能性があると報告されている。

 

主に、宇宙ゴミは、地球表面から850kmから1500kmの高さのところに集中しているが、その多くは宇宙船の飛行点と国際宇宙ステーションの高さのところに存在する。

 

今のところは、報告には地球周辺の空間に新しいゴミを誕生させない2つの方法についての提言がなされているに過ぎない。2つのうちの1つとは、打上げミサイルの船内に残っている燃料を使ってミサイル破片を軌道から除去すること。もう1つの方法は、稼動の寿命年数を超えた宇宙装置をもっと高い軌道に移し埋葬させることだ。専門家の試算では、軌道のこれらの点にあるこのような宇宙装置の存在期間は200年以上になるとのことだ。

 

地球周辺の空間を浄化させることに寄与しているのは、軌道で宇宙船を破壊することを禁止した現在作成中の国際協定もそうである。2月の始め、ロシア科学アカデミー宇宙研究所の学術長のアレクサンドル・ボヤルチュクは、「現在、衛星船の破壊の際に発生する宇宙ゴミを蓄積させないように、衛星船破壊禁止に向けた作業を遂行中である」と発表した。

 

換言すれば、宇宙ゴミについては、我々は、すでに大分以前から、「宇宙運動の規則」を書き、それを頭に叩き込み、「素晴らしい」という評価で合格させる時期に来ている。