アンドレイ・アネンコフ、オンライン新聞Itoday.ru編集長。
アメリカの上院は、今のところ、自動車産業に対しGM倒産を救うことのできる140億ドルの拠出を拒否している。しかし、もし最終的に拒否したとしても、政府はいずれにせよ、デトロイトが世界を駆け巡らないように何かを考えるだろう。GMの倒産は考えられない。どう見ても信じられない。
ロシアでは、中古Toyota車あるいはBMWの新しい「ラーダ」を好む市民から増税している。愛国的精神を持たない購入者から徴集した資金がその後どこに行くのか我々には伝えない。しかし、そのこと自体はそれ程重要ではない。税を多く支払う必要性が出てきたことにより、中古車を購入しようと言う考えから遠のく者も恐らく出てくるだろう。その結果、保護主義に守れられるGM-AvtoVAZにとって、少しの間、すぐではなくとも少しほっとすることができるだろう。
ロシアの政府の考えは判る。トリアッチの無秩序になってしまう喜びは(実際は喜びなどないが)、ウラジオストックが無秩序になる喜びに比べたら政府にとっては全く少ない。
しかし、残念ながら、少し柔らかく表現すると、現在は、輸出の可能性を持っていないセクターに対する保護主義政策が採用されている。しかし輸出の可能性というのはロシアにとってものすごく必要なのだ。なぜなら経済はグローバル化しており、そして(輸出を行わない限り)この状況から如何なる関税でもその産業を救うことはできない。従い、もし良い生活をしたいなら、他人と輸出をおやりなさいと言うことだ。
私の考えがナイーブかも知れないが、実際は、なぜここに国家経済の多角化と関係があるのだろうか?実は、ロシアの経済は多角化するまで行ってないのではないか?経済状況を維持しなければならず、経済の管理を維持することが必要な時期だ。発生している状況との闘いが続いているのだ。闘いと同時に軍を改革することが一体できるのか?そもそも、老人よ、あなたは、我々の古い国家ヴィザンチンでどのように決定が採択されているかを知らないじゃないか。IT産業から誰が、これらの決定を採択する場所に出席しているのか?IT時代は終わったのか?
判っている、時代は終わったのかも知れない。いや、まだ始まっていないのでは思うことすらある。2001年4月に、当時の大統領プーチンはIT産業の活動家と会った。その中には、後にIT-ビジネスマンは非商業的だとの意見をプライベートに述べた学者ヴェリホフも出席がいた。IT-活動家たちは1枚の紙も署名用に大統領に持って来なくて、ただ座って雑談しただけだ。(エフゲニー・パブロビッチ自身だけがへまをせず、彼にとって必要なものを持って来て大統領の署名を取得した)。 もしあなたに少し時間的余裕があるなら、http://www.visual.2000.ru/kolesov/pcweek/2001/putin.htm をクリックして内容を読んで見ることを勧める。当時のIT-活動家が7年前に大統領との会談について述べたことを。そしてこれらの人達の非商業性を確認して欲しい。
GM-AvtoVAZではなく競争力のある企業の支援にやっと従事することになった国家の先見の明のある指導部への期待は、それでもまだ尽きていない。尽きてしまっても良い時期かもしれないのに。国家の戦略的発展について(紋切り型の表現を許して欲しい)、我々の上層階層は考えることを望んでもいないしその能力もないことは多くのことが証明している。
自分で判断して欲しい。2007年の世界の武器市場は600億ドルを下回った。本年のデータは私の手元にはないが、ソマリアの海賊によりウクライナのタンクが奪取されたという事実があるにも拘らずわずかにこの数字だ。思うに、急激な市場の成長はこのセクターでは期待できない)。一方、2008年のソフトウエア世界市場は1600億ドルと評価される。しかもこの数字はソフト自身だけの数字であり、どの導入することによる付帯サービスは考慮されていない。これらの付帯サービスを入れた数字は、桁違うとは言えないかも知れないが、数倍多くなるはずだ。
我々の武器製造業者は、ロシアのテレビ視聴者には良く知られているが、優秀である。彼らを国家は全力を挙げて支援している。そしてそれは正しい行為だ。このために、「ロスアバロンエクスポート」という専門組織が設立された。しかし、我々が、武器市場を全部完全に支配したとしても(そんなことは理論的にあり得ないが)、ヨーロッパ市場1つだけのコンピュータープログラムへの支払い額に到底及ばない。
祖国のソフトウエア産業を保護しようという政策など一体どこにあるのかということを訊きたい。そんな政策は1つもない。カスペルスキー(ウイルス会社)やABBYYやその他の注目されることを好まない企業が達成した成功は彼らの独自の努力で為し得たものだ。国家の支援なしに、支援どころか、逆に、障害を越えて達成したものだ。
厳しい気候、それが物理的であろうと経済的であろうと、どのような厳しい気候でも、それに順応し賢くなることは、ロシア人にとっては普通のことだ。一例を挙げよう。ヤクーツクでニキータ・フルシチョフを、地元の住民のうち純情な市民が温室で栽培されたスイカを彼にご馳走した。彼はモスクワに帰ったら北の人達に祖国規定の特典条項を削減した。北の人達は別にそんなに悪い生活をしているわけではない。永久凍土とは一体何のことか、とフルシチョフには思えたのだ。
まさにそのように、全く正確に、政府はIT-産業に対し接している。IT-産業職員の労働賃金基金への増税、IT-産業にとって主要出費になる増税を行なった。IT-産業はドラゴン(アブノーマルな)統一社会税増税を我慢した。今保険の支払いを行なっているかも知れないが我々は34%以上は取らないと政府は言う。34%!これでなにがインドのITと競争できるのか。
我々はプログラミングのチャンピオンを取ることは一体何になるのか?競争相手はレベンジ奪回するだろう。今でなくとも、スポーツの舞台でなく、産業レヴェルで競争する時間が来るまで待って彼らはレベンジするだろう。
我々の税制革新が計画されるのが2010年になってからというのは幸運だ。しかし、それまでは、何が起こるかは神のみぞ知るだ。
将来性のあるセクターへの支援を軽視することは我慢強い市民の懐を当てにして、GM-AvtoVAZを支援することと同じだ。これは、小さい意味では、大きな不公平だ。そして、大きな意味では、労働者の1つの部分(IT-産業)と他の部分(保護主義産業)との不思議な形で主導されている経済戦争だ。ウラジオストックの倒産した自動車業者は、自分に見舞われた不幸な運命を犠牲にして、トリアッチの組立工に相対的な幸運の支払いをしてあげる結果になるだろう。Post-Industry(ポスト産業)の世界では、礼儀正しい生活を我々に保証できる能力のある産業(IT-産業)だけが、懸命に努力し、かつて先進的だったセクターを助ける構図になろう。
もちろん、この産業が、それまで外国に亡命せずに、存在していればの話だが。