外国への投資拡張:民間と国家のパートナーシップが必要。
15:0509/02/2008

オレグ・ミチャエフ、ロシア・ノーボスチ通信社、経済解説員。

 

ロシア第一副首相ドミトリー・メドヴェジェフのロシアの民間企業の外国進出を支持する構想はビジネスマンの間で即座の共感を呼び起こした。2月5日に行われたロシア産業人企業家同盟(ロシア語略РСПП)集会の会議でこのテーマは疑いなく主題になった。すぐ次の日の2月6日にРСППは協力及び投資国際アドヴァイザー会議を設立した。

 

1月31日に、クラスノダール市での全ロ産業人企業家フォーラムで演説の際、ドミトリー・メドヴェジェフは、ロシア企業の国際市場への進出を支持することを約束した。彼は、企業家たちに、その成功例としてとりわけ中国を引合いに出し、外国の資本を買収するようアドヴァイスした。

 

ビジネス社会はメドヴェジェフのこの声明を熱狂的に受け入れたが、この熱狂はどのように過大に評価してもし過ぎることがないほど熱い。数日後にモスクワで行なわれたРСППの集まりでの演説の大部分は、この発案をさらに発展させるための内容であった。

 

РСПП会長アレクサンドル・ショヒンは、益々激しくなるグローバル競争という条件では、ロシア企業にとっては外国資本買収の際の国家の支持が必要である根拠を示した。競争に勝つことができるのは巨大な国際的な企業だけである。ショヒン会長の言葉によれば、すべての人が資本が逃避することを恐れた時代は永久に去った。今は、外国資本を買収するために海外に資本を投資(輸出)する時代であると語った。

 

国外投資でロシアの「ナショナル・チャンピオン」を支持することを呼び掛けているのは対外貿易銀行頭取のアンドレイ・コスチンも同じだ。彼はロシアの企業が海外で資産を買収するのを助ける特別国営会社の設立を提案している。さらに、彼は、この目的のために、設立された発展銀行のメカニズムと投資ファンドの資金が作動するだろうとの意見を持っている。

 

全体として、РСППの集会会議で、政府の傘下のもとに、投資プロジェクトを評価しそれを支援するメカニズムの役割のできる在外でのロシア投資促進特別機関を設立する必要があることが決定された。ショヒンの声明によると、РСППはこのような機関の設立に関し、自分の業務を政府に提案しても良いとしている。彼は、この機関は本年3月の大統領選の後にも政府組閣の一環で設立されるかも知れないと述べた。РСППの会長の思惑は、監視委員会の構成には、関連省庁とビジネス界の代表が入り、会長にはロシア政府会長が就任するというものだ。ショヒン会長は「これは、民間と国がタッグを組んだパートナーシップのナショナル・センターのような組織になるかも知れない」と自分の構想を総括した。

 

この将来を約束できる計画の審議の結果、大統領選挙では性РСППはドミトリー・メドヴェジェフを支持する提案が自ずと沸き起こり提案は満場一致で可決された。このようにして、ビジネスマンは、ロシアの外国の投資推進事業で、将来の大統領にあらゆる支援を行なう完全な用意があることを示した。

 

今の所は、РСППでは、2月6日の集会の次の日にすでに設立された協力及び投資国際アドヴァイザー会議の設立に留まっている。ショヒンの言葉によれば、この会議は、ロシアで活動する外国企業がロシアにビジネスを導入する際により良く現実に適合できるよう手助けするために必要であるとしている。しかし、これは単純な慈善事業ではないことがすぐに判った。会議で演説した経済発展貿易相エリヴィラ・ナビウリナは、新しい機関は、ロシアの関心を外国でロビー活動するために、ロシアで働く外国企業の潜在能力を利用するだろうと強調した。

 

大手ロシア企業はすでに1年以上に亘り魅力的な外国資産の獲得に務めている。上手く行っている企業もある。例えば、アルミニューム最大手企業の「ルサル」や冶金工業の最大手コンビナ-ト「ノリリスク・ニッケル」などである。しかし多くの国では(特にヨーロッパでは)ロシアの資金は双手を挙げての歓迎はされなくなっている。

 

今まさに、全世界に保護主義の波が襲い掛かっているからだ。顕著な例は、増大を強める「ガスプロム」のEUのエネルギー部門への投資を恐れ、それに対し制限しようとしたEUの試みである。しかし、ヨーロッパやアメリカがもっと恐れているのは、彼らの経済に急進的に入り込んでいる中国など「金持ちになった第3世界」諸国が国家と一緒になって巨大な投資をしていることである。

 

アメリカでは、外国投資家とのあらゆる取引の、もしその取引がアメリカの安全を脅かすなら、禁止が可能になる法律を昨年の夏から施行した。ドイツでもつい最近、同様の法律を発布し、直接の外国投資を殆ど自由意志で勝手に制限している。これらの法律の作成者は、このような変化の切っ掛けになったのは、民間投資に見せかけてあたかも何らかの政治目的を遂げようとしているのでは思える程非常に強く国家がビジネスを支配している中国、ロシアそしてアラブ諸国の増大する食欲であると公然と言い放っている。

 

このような現在の条件のもとでは、何らかの特別な国営企業あるいは投資基金が外国で資本を買収すれば、極めて問題になるだろう。他方、ロシアの形成された条件下では、「逆保護主義」、つまり、外国でのロシア企業の投資がスムーズに行くロビー活動に取組む以外に道は残っていない。ここで初めて上述の「民間と国のパートナーシップのナショナル・センター」のような組織を作るショヒン構想が有効な手段になるのだ。